6月26日の東京都公園審議会から東京都の新しい公園戦略、「都立公園の整備と管理のあり方について」が、都知事に答申されました。5月、インターネットで実施されたパブリックコメントをうけての、最終答申です。その答申の5つのリーディングプロジェクトの1つに、多摩三浦丘陵(いるか丘陵)の広域連携を提唱する計画が盛り込まれています。
今回の答申の大きな特徴は、環境危機、都市再生、財政ひっ迫、協働型社会への転換等の時代の文脈の中で、新時代に柔軟に適応してゆく公園マネジメント(パークマネジメント)を勇気を持って提言していることだろうと、思われます。また、東京都としてはおそらく初めての取り組みとして、都域をこえた首都圏レベルの広域的な水(河川・港湾)と緑(丘陵・台地・山地)のランドスケープ配置の中で、東京の公園緑地政策を立案する姿勢を、採用しています。
提言は、
1)生命都市をつくる
2)都市再生を支える
3)心を豊かにする
4)協働・連携をすすめる
5)ネットワークをつくる
という5つの視点にたって、「公園緑地から始まる緑の都市再生」を理念に掲げました。
その上で、
★広域的視点
★地域的視点
★ストック活用
★都民・NPOとの協働・連携
★公園緑地情報の幅広い受・発信
の5つの枠組みで新しい公園マネジメントの分野や方式を戦略的に整理し、5つのリーディングプロジェクトとして、
1)丘陵地保全・活用広域連携プロジェクト
2)都心の緑のネットワーク推進プロジェクト
3)文化財庭園の千客万来プロジェクト
4)民間参入などによる利用促進プロジェクト
5)公園パートナーシップ推進プロジェクト
を提案しています。
なかでも、第一の丘陵地保全・活用広域連携プロジェクトは、多摩三浦丘陵群を都県境をこえて連なる緑の回廊ととらえ、都市再生/環境教育/リクリエーションの機能に注目して、広域的な保全・活用事業を先駆的に推進するという提言で、関連自治体、鉄道事業者を含めた民間企業、丘陵地で活動するNPOなどによる広域連携協議会の設立を視野に入れています。
多摩地域の東京都移管(1893)以来、文化的な分断の続いていた南多摩の多摩丘陵と神奈川の多摩丘陵・三浦半島の緑の回廊が、首都東京の連携的な「緑の都市再生イニシアティブ」によって、その大地本来の巨大な環境文化的な可能性が、回復されてゆくのだろうと、思われます。
鶴見川流域ネットワーク、いるか丘陵ネットワーク、そして東京町田の多摩丘陵の自然のケアを続ける鶴見川源流ネットワークが、都市再生の歴史的な仕事の時代に遭遇できるのかもしれません。首都圏から緑の列島再生を発進することになるであろう、東京都の勇気と、ビジョンに、期待しましょう。
いるかん・ばく
(鶴見川源流ネットワーク会報「Joyful Naturalist」No.134より)

広域連携イメージ図(「都立公園の整備と管理のあり方について」答申より)
東京都ホームページ
東京都建設局:「都立公園の整備と管理のあり方について」最終答申について
( http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kubu_reien/pass.html )